出会い
「・・・ここから見える景色、すっげー綺麗だよな」
「・・・ひあっ!?び、びっくりした・・・」
「あんたも病室抜け出してきたのか?」
「違います!ただ調子が良かったから少しだけ外の空気を吸おうかと思って。ちゃんと許可は取りましたよ」
「ちっ。仲間じゃなかったか」
「仲間って・・・あ、あなた抜け出してきたんですか!?だめですよ!戻らないと!」
「引きこもってたら良くなるもんも良くならねーよ。人間に一番優しいのは自然の風だ」
「そうかもしれませんけど、看護士さんを困らせるのはよくないことです!」
「随分な真面目ちゃんだなあ」
「あなたが不真面目なだけです!」
「言うね、初対面なのに」
「あなたも初対面なのに失礼すぎます!」
「はは、違いねえ。悪いな、俺今までずっと通院だの入院だの繰り返してまともに学校行ってねーから対人スキルが乏しいんだよ」
「ずっと?・・・私と一緒なんですね」
「親近感沸いた?」
「そ、そんなことないです!」
「あんた良く見ると可愛いな・・・名前何ていうの?」
「病院でナンパはご法度ですよ!」
「堅いねえ・・・名前くらいいいだろうが。よーし、教えてくれないと『ツンデレちゃん』って呼ぶからな」
「ちょ、変な呼び方やめてください!」
「じゃあ教えてよー。俺は溝端叶」
「かなえ・・・?え、女性の方でした?」
「ちげーよ男だよ!女みてーな名前で悪かったな!」
「ご、ごめんなさい!」
「別にいいけどな。あんたは?」
「鈴木かざみです」
「かざみ?苗字みてーな名前だな」
「わ、悪かったですねえ!」
「叶くん!見つけたわよ!早く戻りなさい!」
「・・・げっ!見つかった・・・」
「もうっ、次からはちゃんと許可とってここに来るんですよ?」
「やだめんどい!・・・じゃ、後が怖いから俺行くわ」
「ちゃんと寝てくださいねー!」
「おうー!またなー!」
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こんな感じの出会い。
多分お互い中学生の頃。叶は入院中。
この後二人はこうして屋上で度々顔を合わせるようになります。
そして仲良くなっていく。
叶が髪を染めるのは高校入学するあたりなのでこの時点では黒髪。
溝端兄妹
叶「よーっす^^かざ、元気か?」
か「叶さん!・・・と、その方は?」
萌「叶の妹の萌っす。馬鹿兄がお世話になってます」
か「めばえ・・・さん、ですね。よろしくお願いします」
か「でも、どうして妹さんが?」
叶「男一人で女の病室に行くんじゃないってかーちゃんに言われたからだ!(キリッ)」
か「そ、そんな理由で・・・?」
萌「いやーしかし叶も随分と綺麗な人に目つけたな」
叶「家の中には残念な女しかいないからな!」
萌「悪かったな(踏)」
叶「ぎゃー痛い!鬼妹!むしろ芋!」
萌「訳分からんわ!あ、すみませんね、馬鹿兄が騒いで」
叶「騒いでんのはお前だろ!?」
か「・・・ふふ^^」
叶「え、何?何かあった?何で笑った?」
か「いや・・・二人とも、見てるだけで面白いなあって思って」
束の間の、病室に射した光だった。
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萌=めばえ。叶の妹。
ビジュアル系大好きな女子。言葉遣いが汚い。そして下ネタを好む。
平八の中学時代の友達でもある。
奴のカラオケのレパートリー(ビジュアル系多い)は彼女の影響。
今では西水流通ってます。
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そんな感じで叶が退院して束の間の高校生活を送っている間もかざみのお見舞いに来てましたよって話。
「卒業・・・おめでとう、ございます」
「おう。はは、お前の小言を聞くのも今日で最後だと思うと寂しいもんだな」
「卒業式の日まで説教なんてしませんよ」
「・・・ま、今生の別れってわけじゃねえんだ。たまには鈴木がバイトしてるケーキ屋に行ってやるから、寂しくて泣いたりすんなよ?」
「な、泣きませんよ!」
「そーか?ま、お前は俺よりナルちゃんや律華に会えなくなるのが寂しいだろうけどな」
「・・・確かに、お二人に会えなくなるのは寂しいですけど」
「じゃ、最後に生徒会で打ち上げすっからさ、お前も来いよ」
「・・・あのっ」
「あ?」
「わたし・・・わたし、それ以上に、鷺井先輩が卒業して、学校からいなくなるのが、寂しくて・・・!」
「だから、ケーキ屋には行ってやるから」
「でも!私は!鷺井先輩の家も、携帯の番号も、メールアドレスも、何も知らないんです!自分からじゃ会いに行けないんです!そんなの・・・そんなの、寂しいです・・・」
「・・・鈴木」
「最後だから言いますよ。私・・・鷺井先輩が、好きです」
「・・・あ?俺?」
「さ、鷺井先輩って言いました!」
「お前が好きなのって律華じゃなかったのかよ!?」
「ええ!?何でそう思ってたんですか!?」
「だってお前事あるごとに柳先輩柳先輩言ってただろうがよ!」
「柳先輩は確かに素敵な方で、尊敬してますが、恋とは違います!それより鷺井先輩が柳先輩を好きだったのではないですか!?」
「Σんなわけねーだろ!怖いこと言うなよ!それにあいつ男だろ!」
「男の方でも、もしかしたらって・・・」
「ないない。絶対ない」
「・・・なんだあ、よかったあ・・・」
「ったく・・・お互いに壮絶な勘違いしてたってわけかよ・・・畜生」
「そ、そうですね」
「あ、あの、今のは告白ですけど、無理に付き合えとか言ってませんから!気にしなくてもいいですから!」
「あ?」
「ただ、せめてメールアドレスを教えて欲しいと思いまして!い、嫌だったらいいですけど!」
「いやちょっと待ておm」
「あの、私、将来絶対パティシエになりますから、その時は先輩、私の作ったケーキ食べて下さいね!そ、それじゃ!」
「おいちょっと待てよ!メアド教えて欲しいとか言っておいてなんでそこで逃げようとするんだよ!」
「へっ!?」
「へっ!?じゃねえよ!お前どれだけテンパってんだよ!せめて俺に喋る隙をよこせよ!」
「あああああの・・・?」
「・・・鈴木、」
「は、はい!?」
「お前が作ったケーキさ、旨かったよ」
「・・・え?」
「いつもお前が「売れ残り」って言って寄越してきたケーキ、あれって本当はお前の手作りなんだろ?」
「・・・いつから、気付いてたんですか・・・?」
「・・・ナルちゃんと律華が「明らかに手作りだ」って言ってたんだよ」
「あはは、言われなかったら気付かなかったんですね。そこが先輩らしいですけど」
「悪かったな」
「・・・おら」
「・・・はい?携帯がどうかしましたか?」
「馬鹿か!お前がメアド教えろっつったんだろ!赤外線で送るから、お前も携帯出せよ!」
「い、いいんですか?」
「別に断る理由なんてねえよ」
「あ、ありがとうございます・・・」
「・・・それに、俺だって鈴木とあまり会えなくなるのは寂しいって思ったし・・・いいぜ」
「え?どういうこと・・・ですか?」
「ここでそれを聞くなっての!だから!付き合ってやってもいいって話してんだよ!」
「え、え、ええええ!!?だって鷺井先輩、私のこと嫌いなんじゃ・・・」
「嫌いとか一言も言ってねえだろ!」
「で、でも・・・あの、いいんですか!」
「何度も言わせんなっつーの!ほら!ナルちゃん達待ってるからさっさと行くぞ!かざみ!」
「ちょ、引っ張らないで下さいっ!」
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さぎかざも!(未来成立的な意味で)公式になったよ記念!なげえよ小話!(((
ていうかもう今更な気がするけどね!まだ公式じゃなかったとか信じられない域だわよ!
めいたんちの鷺井が正式に婿になりましたよふへへ。
成立話はこんな感じでよろしいか←
最後にちゃっかり名前で呼んでる鷺井とそれに気付かないかざみである。
衝撃的事実
か「私と親しい男性は皆、男性とお付き合いしてるんですよ・・・」
平「あの、かざみさん。僕は・・・?」
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親しいって言ったら阿比留に矛盾があるけど
っていうかあびなるは公式じゃねえけど(((
しかもかざみは馨さんが男ってこと知らないよどうするよ(((
まあ阿比留と和解した後でなおかつ馨さんが男だと知った後ということで(?)
なんでこう、かざみと親しい男どもは総じて男に走るんだ。
正也とか特にかざみと恋愛フラグが立たないのがおかしいくらいの勢いなのにな!少女漫画の王道的な意味で!
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