友達ってわけじゃなかった。
ただ、クラスが一緒で、たまたま席が隣だった。
野球が上手いと巷では有名な存在だったから名前と顔は一致していたけど、ただそれだけ。
僕も進んで人と関わるほうじゃなかったし、彼もまたそうだった。
とりあえず、他の男子どもと違って下品な噂は流さないし、変な冷やかしもしない。
だから嫌いではなかった、けど、興味があるわけでもなかった。
・・・それだけの存在だったけど。
彼のことは今でも鮮明に覚えている。
『嫉妬って怖いよね・・・』
『もうボール投げられないんだってさ・・・』
誰かが、彼のことを小声で話していた。
彼・・・風間くんは、とある事件により野球ができなくなってしまったらしい。
腕はギプスが付けられ、固定されていた。
移動教室の時、たまたま隣の席だった彼が教科書を持ちにくそうにしていたから、持ってあげた。
ただ、それだけだった。
「・・・ありがとう、姫宮くん」
「これくらい普通だよ」
「優しいんだね」
そう言って笑った風間くんの顔が、今でも頭から離れない。
風間くんの野球の腕は、今の時点で小学生のそれではないほどのものだったらしい。
技術も日々成長しているし、このままいけば将来的にはプロになるのではないだろうかとさえ言われていた。
・・・でも、つまらない嫉妬により、その輝かしい未来が奪われた。
悔しくないのだろうか。
・・・悔しいに決まってる。
無理して笑わなくてもいいのに。
本当は泣きたくて仕方なかったんだろう。
・・・彼は、今、何をしているのだろうか。
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フライング乙!九路たんは頑張って康正過去話まとめるのよ!(×)
矛盾点あったらごめんぬ。
清七と国明が小学校一緒だったら平八と康正も一緒だったんじゃないかなと←
友達設定は作れないけど。再会した話も描きたいね。
そして今度は仲良くなれるといいな。弟同士も仲いいしね。
小学生平八は基本的に無口無愛想、気を許した相手にだけ少し笑う程度でした。
内向的です。同級生では女の子の友達しかいない。
上級生にちょこちょこくっついてる子。
烈火にいちゃんと胡桃ねえちゃんが大好きでした。
今ではもう平八の方が世話やいてるけどな!
しかし千沙の世話は当時から焼いていた。
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