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東西南北!とくすつば!の企画用ブログ兼個人的な創作置き場。
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    こばどんログ4

    東西南北組の心情とか。






    救えなかった弟

    すまない、十兵衛。
    私は、結局お前の力になってやれなかった。

    十兵衛は、父や親族に異端と評され、死を惜しまれる事すらなかった。
    だが・・・私は、彼の死が何より悲しかった。

    何故だ。何故男を愛したというだけであのような扱いを受けねばならぬ。
    十兵衛の知り合いには死を知らされず、親族のみでの形ばかりの葬式・・・
    代々続く姫宮の墓には入れられず、簡素な墓に独り、あいつは埋葬された。

    私にそれを止めることは出来なかった・・・

    「何故です!何故十兵衛を姫宮の墓に入れぬのですか!」
    「これは姫宮の面汚し、尊い御先祖の墓に入れるなど言語道断」


    ・・・ああ。十兵衛。
    お前を救えなかったばかりか、独りにさせてしまった・・・


    ならば、せめて。


    「寿桂よ・・・私が死んだら、姫宮の墓ではなく十兵衛の墓に入れてはくれぬか」
    「そうですわね・・・十兵衛様は、お独りでは寂しいでしょう。では私が死ぬ時も、十兵衛様の墓に入りましょう。そうすれば、皆寂しくないでしょう」
    「・・・賑やかになるな」
    「ええ」

    ---

    輝「十兵衛・・・十兵衛・・・!」
    九「何じゃ、俺は九兵衛じゃ」
    輝「・・・?おぬしは・・・けったいな恰好をしているな」
    九「まあ時代が違うからのう。ところでお前、見かけん顔じゃな。新入りか?」
    輝「ここは・・・極楽か?」
    九「死後の世界じゃ。今の人間は『天国』と呼んでおる」
    輝「死後・・・では十兵衛もおるのか・・・?」
    九「十兵衛?どうかのう・・・聞かない名前だが、じっちゃんに聞いてみるか」

    ---

    藤「・・・姫宮十兵衛は、ここには来ていません」
    輝「・・・そう、か・・・」
    神「その十兵衛という男は・・・現世に縛られているのかもしれないのう」
    輝「と、言うと?」
    神「死に様からして・・・まず成仏はしておらぬだろうと感じてのう」
    輝「どちらにしろ・・・十兵衛には会えませぬか」
    神「すまないのう・・・」
    九「・・・輝虎よう」
    輝「何だ、九兵衛殿」
    九「俺と同じじゃのう。俺も相棒が未だ見つからんでな」
    輝「・・・そうか」

    ---

    霊が見えるとはいえ、生前、私は十兵衛に会うことすらかなわなかった。
    既に成仏しているものと思っていたが・・・

    「・・・別の天国にいる可能性はありますが」
    「その別の天国とやらには行けるのでしょうか?」
    「不可能とは言い切れませんが・・・難しいでしょう」
    「・・・そう、ですか」

    ・・・結局、十兵衛を独りにさせてしまったのか、私は。
    せめて・・・せめて、あやつが愛した男と共に居れば、よいのだが・・・

    ---

    輝虎さんと同性愛者の弟、十兵衛の話。
    十兵衛と天国に加入させる気はありません。九兵衛と名前被るしね!←



    美沙華

    わたしの両親は、孝造さんと千沙華を「人殺し」と呼ぶ。
    孝造さんと結婚したから。
    千沙華を産んだから。
    そのせいでわたしが死んだからと、一方的に怨みをぶつける。

    ・・・今更よ。
    いい気なものだわ・・・
    わたしのこと、家の繁栄のための道具としか見てなかったくせに。
    あなたたちがわたしを、心から愛してくれたことなんて、なかったくせに・・・
    孝造さんと千沙華は何も悪くないのに。
    的外れな怨みを持つのはやめて・・・

    お願いよ。
    これ以上、孝造さんと千沙華を苦しめないで・・・!

    ---

    みさかさんの一人称「わたし」だった((
    ひらがなだったよばかん。まあいいや。

    美沙華さんの実家は鏡内家という、歴史も古く、大企業も持っているようなそれはものすごい家でした。
    鏡内に生まれた娘は当然のように政略結婚させられます。
    美沙華さんも表向きには愛情を注がれてきたけれど、所詮は政略のための道具としか扱われませんでした。
    恋愛は禁止。男性と必要以上に喋ることも禁止でした。

    結局色々あって孝造さんと恋愛して、両親の反対を押し切って結婚するわけですけども。
    もし産後に美沙華さんが死ななければ、ここまで尾を引くことはなかったのだろうな。

    ただ美沙華さんが存命なら清七は生まれていなかったわけで、うん、なんか複雑だ←
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